★日本語【タラちゃんしゃべり】




ウリ猫のこの夏の居場所は
家じゅうを転々としましたが、
梅雨が明けてから8月いっぱいは

ここにいることが多かった。

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寝室の、

クローゼットとベッドの間の
細長い空間です。




突き当りのこの小窓は、
先代猫ニャンタ専用の通用口でした。
ニャンタは外出自由猫でしたのでね。

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散歩に出たくなると、ここに来て、
「出しなさい」と命じる。
開けてやると、にょろんと出て行き、
満足すると、大声で呼ばわって
網戸を開けさせ、すり~っとご帰還。


なつかしいなあ。



今年は、ようやくついに

この部屋にエアコンを設置したので、
オバは生きて秋を迎えられそうです。
※寝室とオバ部屋はツーカー空間。


案じたのは
ウリ猫とエアコンの相性でしたが、
思いのほか上手に使いこなしています。
ここは冷気もたまるけど、
小窓に背中をくっつけていれば、
お日さまの熱も伝わる、
絶好のポジションなのでしょう。


こいなあ。

P8200015.JPG



なあ。

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顔、変になってますけども。




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日本語【タラちゃんしゃべり】


記事の中の「かちこいなあ」は、

もちろん「かしこいなあ」です。

今週の日本語バナシは、

なぜ「し」が「ち」になるのか、です。


かの国民的アニメ『サザエさん』ちの

最年少メンバー、タラちゃんの発音ですね。

仮にこれをタラちゃんしゃべりと呼びましょう。


相手がちいさな子ども(や猫)だったりすると

ついつい大人もこのタラちゃんしゃべりになる、

妙に甘ったるい、舌足らずな話し方になる、

――これ、よくあることですよね。

はたで聞いているとキモチワルイですが、

これは、いかんともしがたい現象ですな。


どうしてそんなことになるのか、

心理的なことは今はおくとして、

このタラちゃんしゃべりの発生する原理を

きょうは軽くご紹介しようと思います。



タラちゃんの「舌足らずな感じ」の代表が、

「し」が「ち」になったり、

「す」が「つ」、「つ」が「ちゅ」になるというもの。


ここから先は音声学の話になりますが、

音の作り方(=調音法)でいうと、

「し」や「す」は、摩擦音

「ち」「ちゅ」「つ」は、破擦音です。

閉鎖音(=破裂音)というのもあって、

「た」「か」「ま」「ば」などがそれです。


閉鎖音(=破裂音)というのは、

文字通り、口のどこかで息をせき止め、

しかるのち、爆発的に開放して音を作ります。


摩擦音というのは、完全にせき止めることはせず、

ごくちいさなすきまを作って、そこから息を漏らします。


破擦音は、いったん閉鎖した後で

わずかにすきまを作って息を逃す、二段構えです。


さて、ちいさな子どもにとって

いちばん簡単なのは、どれだと思いますか?


閉鎖音(=破裂音)です。


赤ちゃんがいちばん初めに出す音は

マ行が多いと言いますよね。

マ行の音は、唇を使った閉鎖音です。

せき止める場所が歯の裏やのどの奥じゃなくて

顔の正面に見えている唇ですから、

視覚的にも、発音の方法が把握しやすい。

「ママ」は、最強の「初めてワード」なわけです。


いっぽう、微妙なすきまを作る摩擦音は

幼児にとって、難度が高い。

まだしも、いったんは閉鎖する破擦音は

出しやすいのでしょう。


**


それで、「そうです」が「そうでちゅ」に、

「おいしい」が「おいちい」に、

「さむい」が「ちゃむい」に、

「すき」が「ちゅき」になるというわけ。


えーと、以上です。

それがわかったから何だというのか。

何にもなりはしませんけれども、

摩擦音や破擦音を上手に使いこなしている

大人のみなさんは、ご自分をホメてよいかと。



エライでちゅ!


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猫な日本語2020.09.07