安全なら安心。

★日本語:単語「安全」と「安心」




ウリ猫がいない!
と思って探したら――


ロフトにいました。




ひさしぶりの避難訓練中。






なかなかの緊張感。


(カメラがイヤなだけなのよね。)




これ撮ったら退散するから
あとはゆっくり

訓練を続けてくれたまえ。

 

 

たまに思い出したように

自主的に避難訓練をする

えらい猫です。

 



 


 

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***
★日本語:単語「安全」と「安心」


この2つの語をつなげて使う用法が
いろんな場面で急に広まりだしてから
何年になるでしょう。


宮崎県知事だった東国原氏が
県産品のPRの際に使って以来という説もあり
いやもっと前からだという説もあり
「起源」をたどるのは、難しい。


ともあれ、
今や見ない日はないほどに使われています。
東京オリンピック・パラリンピックの関連記事で
うんざりするほど使われていますよね。

 ・安全安心な大会を目指す
 ・何よりしっかりと安心安全を守っていく






この「2つセット」の使い方への異義は
すでにいろんな方が述べています。
ワタシも、賛成です。
えっと、異義に賛成です。


安全とは、客観的事実・状態にいうもので
安心とは、それを見た人が感じるものです。


安全の反対は、危険です。
安心の反対は、不安です。



行政や運営側が目指したり守ったりできるのは
「安全」であって、「安心」ではありません。

「危険」は頑張れば減らせるけれど、

「不安」は直接除去できるものではありません。

 

**

 

 

また、どちらも名詞・ナ形容詞ですが、

「安心」は「~する」という動詞にもなります。

「安全」には、動詞用法はありません。

そういう、品詞、形態論的なアンバランスも

両語をくっつけることへの違和感になっていると

私は思います。

 

 安心しろ、お前の安全は俺が守る!

 

と、まあ、こんなセリフを

政府やIOCに言われたいかどうかは別として

日本語としては、このセリフは〇です。

けれども、この文の「安心」(=動詞)と

「安全」(=名詞)を入れ替えることは

できませんよね。

意味的にも形態的にも合わないのです。



***


ちなみに「安全安心」と「安心安全」、
どっちが多いかな、とネット検索してみたら
5月末の某日某時刻のGoogleのヒット数は
以下の通りでした。

 安全安心:535,000,000件
 安心安全:482,000,000件

ふむ。
一応、対策⇒結果、事態⇒心理、という
モノゴトの順序に従った「安全安心」が
使用例数としては多いようです。


かろうじて、論理性は守られている
と言えなくもないかもしれない、かな。


でも、イヤだ。
どうか、お願いです。

責任者は「安全」の確保に傾注してください。
その結果に「安心」できるかどうかは、

私たち国民が判断します。


****


ウリ猫の避難訓練が
実地に役立つ日が来ませんように。
 



安心しきって
オバの足首を占拠する猫。






そこには「信頼」があるのだろうな
と、

飼い主はうぬぼれておりますよ。







じつはこの日、

左の下まぶたにちいさな引っかき傷。
病院に連れていくかどうか
ちょいと迷ったけれど、
さいわい、

翌朝には赤みも消えていました。


ほっとひと安心。



猫の安全は
飼い主の責任。


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コメント

「それって危険と不安がいっぱいという事?」と意地悪言いたくもなります。
テレビに映る政治家、今回に限らず
「上手にサラサラとしゃべるよのう」と思いますが、
なんであんなに空虚なのでしょうね・・・
やろうと思ってもできない(笑)
だからと言って、カッコよい決め台詞を聞きたいわけでもないのですが。

猫様にいつもと違うところを発見した時の不安と言ったら、もう。
一瞬で心を埋め尽くすー!
ウリさん、大事でなくて良かったです。

  • きんぎょ猫
  • 2021/06/01 10:45

Tokyo Olympics can be held under STATE OF EMERGENCY...
というIOCの声明を聞いたとき、
頭のなかががぎごぎときしみました。
なんですか、この語彙の矛盾!
emergency という言葉の持つ非常時の緊急性を
さらりとないものにするという厚顔無恥のすさまじさ。

もう無感覚になってしまっているらしく、
「安心安全」の不可解さには情けないことに気づいていませんでした。
ただ五十音の並びでなんとなく安心が先で安全が後のほうが言いやすい、
くらいの無感動な受け流し方。
またしても目から鱗でありました。
ありがとうございました!

しましまさん、病院へ駆け込まずにすんでよかったよかった。


◇きんぎょ猫さん◇
実際に空虚だから、ことばも空虚なんでしょうね。「安全は守れないかもしれないから、安心しないでくれ」と言われたほうが、どれだけ安心できることか。/猫のからだに「赤」を見つけたときのドキドキったら.....!

◇こてちさん◇
すべては福島アンダー・コントロール発言、あの真っ真っ赤っかな大嘘から始まっていたのだと、改めて思いますねえ。あまりに堂々と嘘をつかれると、え、なに、ワタシが間違ってる?と、うっかり思ってしまいます。がんばって「気をたしかに」保たねば。/ウリは飼い主に似てちょっとアレルギー体質のようです。これでもちいさかったころに比べれば、ずいぶんよくなったのですが、ときおり引っかき傷をこしらえるんです。手ぶくろ(足ぶくろ?)かぶせようかしらんと思いました。

  • ニャンタのおば
  • 2021/06/01 12:51


◇こてちさんへ、追記◇
そうそう、私も実は「安心安全」のほうが語呂としてはまだしもいいように思っていたし、実際そちらを見聞きすることが多いように思っていたので、Googleの検索結果には軽く意外の念を覚えました。

  • ニャンタのおば
  • 2021/06/01 12:53