ウリ、かっこよ!

★日本語【イ形容詞】





ところで
バリおやじが就職した日
この写真――
 



窓の梁に
猫が乗っておりますな。



ウリすけが
ここに上がったのは
じつに久しぶりのことでした。


以前は、しょっちゅうでした。
晴れわたった秋の青空とか
夏の燃えるような夕焼けとか
冬の日没直後の鋼色の空とか
そんな空をバックにして
ここにウリが座っていると
そりゃあもう、いい景色。


そうそう、
こんな大ヒットもありました。
☆賞金稼ぎ☆
ここで撮った写真が
アノ岩合さんの選で
アサヒカメラに載ったのだ!


それが
最近ではとんと上らなくなって
つまんないな、と思っていたら
ベランダが消えた日、
突然上ったのでした。



やっぱり、いい。



猫って、
ほんとうに
うつくしい。



カッコイイ!

 

またちょくちょく

上っておくれ。

 

 

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※今週の日本語バナシは

 「かっこよ!」という日本語を聞いて

 オバサン日本語教師が感心した話。⇩

 

***

 

★日本語【今どきのイ形容詞】「かっこよ」

 


近ごろの若いもんは
「うまい」を「うまっ」
「高い」を「高っ」
「やばい」を「やっばー/やばっ」
と言いますね。

 

 

いや、若いもんに限りませぬ。

還暦過ぎのワタシも堂々使っております。
形容詞の語幹だけを投げ出すこの言い方は

以前から広く使われていました。

「熱っ」「痛っ」などは

みなさまも、ふつうにお使いでしょう。

 

 

 


先日のこと、
ウトウトしながらradikoを聞いてたら

若いラジオパーソナリティーが
「かっこよ!」と叫ぶのが聞こえました。
「かっけー」じゃなくて、「かっこよ」。

 

 

ほほー、と、一瞬目覚めかけたものの

そのまま眠ってしまったのですけれど、

珍しく翌朝になっても覚えていたので

ちょっと考えてみました。

 

 

**

 


「いい」という形容詞は
不規則な活用をします。
形容詞に限らず、動詞でも、

使用頻度の高い語ほど
活用が不規則になるのは
ありがちなことです。


「いい」の場合、どう不規則かというと
いくない ⇒ よくない

いくて  ⇒ よくて
いかった ⇒ よかった
いければ ⇒ よければ

いかろう ⇒ よかろう
という具合です。

 

 

終止・連体形は「いい/よい」どちらでもよく、

そのほかの活用形には

古い形の「よい」が使われているわけですね。

「よい」には、古くて硬い印象がありましょう?

 


そこへもってきて、

今どきふうの「うまっ、やばっ」型表現として

「かっこよ!」が聞こえてきたのでした。

「かっこい!」じゃなくて

「かっこよ!」と。

 

 

***

 


たった1回聞いただけだし
それも半醒半睡の朦朧状態だったし
断言はできませんけれども、
こんな「くずれた」表現のときにも
「いい」が不規則活用だという一点は
守られていたわけです。
いやあ、ことばっておもしろい。

 

 

つぎは、「気持ちよ!」ですな。

オバの耳にいつ届くか、たのしみです。

 

 

みなさまの周囲では

すでに「気持ちよ!」が

使われていますかしら?

 

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参考文献備忘: 清水泰行現代語の形容詞語幹型感動文の構造

コメント

またまた面白い日本語の話題をありがとうございます。
「かっこよ!」という言い方、今日まで聞いたことがありませんでした(笑)。

「よい」と「いい」が全く別語だと考えると、「いい」には終止形と連体形しか無いわけですね。そういう点では助動詞「う」「よう」「まい」と似ているなぁと、改めてそう感じました(だからどうということもない、単なる感想です)。

動詞で言えば、「馬鹿げる」には、連用形しかありません。「馬鹿げている」「馬鹿げた」ぐらいしか用例が無いでしょう?
「彼は馬鹿げる」なんて言わないよなぁ。終止形すら使わないなんて、なんて不思議な単語だろうと、ふとそんなことも思い出しました(これも、単なる感想です)。

  • 中村菜花群
  • 2021/08/02 16:55

最近、夫が見ているアニメで、謎の異星人?未来人?がそのような尻切れた話し方をします。
原作はマンガですが、ご存じですか?「100万人の命の上に俺は立っている」
テレビアニメになるほどの人気マンガでも、若者のしゃべりに影響するかな?関係ないかもしれません。
小学生のころ、学校でドリフのマネをして怒られた私ですが。(^_^;)

  • 夜行猫
  • 2021/08/02 17:26

窓の梁に乗っているウリちゃまの,なんと
きれいなことでしょう (≧▽≦)
柔らかい曲線でしなやかですね~♪
逆光なのも,またいいものですね (^^)
『かっこい!』じゃなく『かっこよ!』本当に
面白いです!
『かっけー』はさすがに品がなく,何だかなぁと
思ってしまう私ですが『かっこよ!』はあまり
変な感じを受けずに入ってくるのが不思議です。

  • ж∫цж
  • 2021/08/02 19:38


◇中村菜花群さん◇
そうですねえ。現代日本語の中に見え隠れする古語の痕跡、おもしろいですよねえ。なぜそれが残った?と不思議に思うことは、よくあります。/「かっこよ」は、すでにインスタグラムやツイッターのハッシュタグにもなっているのを確認しました。早晩、中村さんのお耳(お目)にもとまるのではないかと思います。/金田一春彦の「第四種の動詞」ですね。「とがる、優れる、そびえる、似る、馬鹿げる」等々。でも今は、大きく変化動詞にくくることが多いのではないでしょうか。

◇夜行猫さん◇
初めまして、ではないような気がいたしますが、お久しぶりです! ようこそおいでくださいました。/ほう、すでにテレビアニメに進出しているとすれば、広がるのは時間の問題でしょうね。その作品は存じませんでした。情報ありがとうございます。その時代に人気のナニカがことばに与える影響は大きいですよね。

◇ж∫цжさん◇
わたしも寝ぼけ頭で一瞬「ん?」とは思ったものの、わりとすんなり受け入れられる気がしました。これまでなかったのが不思議なくらい、この形、理にはかなっていますもんね。/猫のシルエットって、ほんとうにきれいですよねえええ。が、ウリ猫、この後はまたとんと上ってくれないのです。次のチャンスを逃さないように、見張っておきますわ。

  • ニャンタのおば
  • 2021/08/03 08:42

  • へえ~そんな言い方するのね、聞いたことないなあと思っていましたが、
    昨日録画してあった番組を見たら、若いアスリートの方(今オリンピックに
    出ている人ではないです)が
    「先輩の姿を見て『かっこよ!』って思いました」と話していました。
    数日前の番組なので、リアルタイムで見ていたら「今なんて言った?
    『かっこよ』???」とはてなマークを盛大にアタマから生やしたまま
    数日過ごすことになったでしょう。
    自ら口にするのはちょっとはずかしいかも。こっそり練習してみたいので
    ウリちゃん窓の梁に上って!小声で言ってみるから。

    • 三毛猫
    • 2021/08/05 00:00


    ◇三毛猫さん◇
    おお、貴重な目撃事例(あ、耳撃?)のご報告をありがとうございます。上で中村菜花群さんへのお返事にも書きましたが、インスタやツイッターのハッシュタグにもなっていますし、これは、定着しそうな予感がします。ええ、今のうちに練習なさっておいたほうがいいかもしれませんぞ。ウリはこの後また全然上らなくなってしまったので、どうぞお身の回りの猫さんで練習なさって!

    • ニャンタのおば
    • 2021/08/05 09:45